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​厚生労働分科会

-これからの労働問題「はたらく」を考える

 「労働を軽減させるための彼らのあらゆる発明は、結果として、ただ労働の重荷を増大させることで終わっている。」

産業革命期、モリスは技術革新の帰結についてこのように表現しました。技術革新が起これば、その分労働時間が減るという言説が信じられてきました。人々は自分たちの生活を豊かにするために技術革新を進めてきました。しかし、世界的に労働時間は削減されるどころか、むしろ増加する傾向にあります。

 

 2018年7月、国会で「働き方改革」が成立し、長時間労働問題のほか、少子高齢化による労働人口の減少の追い風もあり、日本にとって「働き方」の改善は重要かつ喫緊の課題とされています。

 

 長時間労働問題は、長らく議論されている日本人の働き方にまつわる構造的問題の一つです。今回の法改正でも是正はなされたものの、フルタイム労働者の一人当たりの労働時間はそれほど変わっていません。他にも、経済成長を達成するためには労働生産性の上昇が必要ですが、少子化に伴う労働人口の減少などの諸問題が存在しています。これらの問題の原因はどのような経緯で生まれ、定着していったのでしょうか。そして、これらの問題の渦中にいる人々をどう巻き込んで、政策を考える必要があるのでしょうか。また、次世代にはどのように引き継いでいくべきでしょうか。本分科会では長時間労働の改善には何が必要なのか、参加者のみなさまに、その本質から考えていただきたいと思っています。

 

 本分科会では、一日目にはグループごとにアクターを割り振り、「政府・労働者・使用者」で構成される三者協議のロールプレイをしていただきます。二日目にはロールプレイを踏まえて、政策を発表していただきます。

 

 そのプロセスを通じて、問題の本質はどこにあるのかなどを知ると同時に、多様な価値観を持った人と一緒に政策を企画・立案することの難しさや面白さを感じていただければと思います。

 

 前提知識は不要です。「労働」問題に興味・問題意識がある、政策を誰かと一緒に考えてみてみたい、人脈広げたい、なんとなく面白そう、どんな理由でも結構です。みなさまのご参加を心からお待ちしています。

分科会ゲスト

​京都大学大学院経済学研究科教授

久本憲夫

​氏

1955年生まれ。

京都大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士後期課程学修。博士(経済学)。

専門分野は社会政策と労使関係論。主として、日本とドイツの労働問 題を研究している。

長年にわたって、京都府参与として行政に関与している。また、京都地方最低賃金審議会委員を18年間(うち、会長は6年)経験した。

【ご経歴】

1990~1998      京都大学(経済学部)助教授

1998~2013   京都大学(大学院経済学研究科)教授

2010~2012      京都大学(大学院経済学研究科)副研究科長

2013~2016      京都大学(大学院公共政策連携研究部)教授

2016~          京都大学(大学院経済学研究科)教授

 

【主著】

・「企業内労使関係と人材形成」(有斐閣、1998)

・「労使コミュニケーション」(編著、ミネルヴァ書房、2009)

・「新正社員論」(中央経済社、2018)

【ひとこと】

​長時間労働の問題は、一筋縄ではいかない複雑な問題です。人々が充実した生活をするために必要な社会的な仕組みについて、それぞれの立場から議論してほしいですが、それぞれのアクターの立場からとはいえ、市民・国民のためという観点を忘れず、より良い案を考えてください。

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