
外交分科会
WTOを改革せよ〜貿易戦争の終結に向けて〜
自由な経済秩序と国際社会の安定。それは切っても切り離せない関係にあります。
かつて戦間期のブロック経済体制は近隣諸国の窮乏化を招き、やがては第二次世界大戦の引き金となりました。こうした反省から生まれたGATT体制は戦後長きに渡って自由で公正な貿易の基盤を守り、国際社会の安定に大いに貢献してきました。95年にGATTがWTOに引き継がれ、現在でもその理念は脈々と受け継がれています。
しかし、そんなGATT・WTO体制は現在大きな転換期を迎えています。
膨大な加盟国の参加による意思決定の遅延、紛争処理機能の麻痺、保護主義の台頭、
そして米が火蓋を切って開けた米中貿易戦争の始まり…
このように、各国のエゴが複雑に絡み合う激動の国際秩序において、WTOは今「決められない組織」として漂流し、完全に機能不全に陥っています。戦後長きに渡って続いてきた自由で互恵的な貿易秩序は、未だ嘗てない危機に瀕しているといっていいでしょう。
ならば、そんなWTOを変えていこうではありませんか。
皆さんには各国の外交官として、WTOにつき改革案として共通のコンセンサスを目指すべく、交渉にあたっていただきます。各国のエゴが複雑に絡み合う外交交渉の世界において、自国の生命線をかけた決断に迫られたとき、あなたはどんな答えを出すのでしょうか。
熱意溢れる皆さんの挑戦を、お待ちしております。
分科会ゲスト

京都大学公共政策大学院 名誉フェロー
佐伯英隆
氏
大阪府出身。東京大学法学部、ハーバード大学J.F.ケネディ行政大学院卒。
1974年通産省入省。新映像産業室長、資源エネルギー庁国際資源課長、在ジュネーブ日本政府代表部参事官、島根県警察本部長、通商政策局審議官などを経て2004年退官。京都大学公共政策大学院特別教授をえて名誉フェロー、同連携研究員、(株)イリス経済研究所代表、社会福祉法人日本国際社会事業団評議委員、NPO法人国際安心安全協会理事長などを勤める。